徒然なるままに妄想を吐き出します。
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無双OROCHI設定で左策です。政→←兼風味もあります。
タイトルは恋したくなるお題さまより拝借しました。
(bookmarkよりリンクしてあります)
タイトルは恋したくなるお題さまより拝借しました。
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「左近、いるか?」
「はい。どうかされました?」
「悪ィ、ちょっと相談があるんだけどよ」
やれやれ、とため息をつきながらも左近は部屋の窓を開けた。ゆくゆくは一国の主になるはずのこの青年は、じっとしていることがない。
孫呉の拠点で左近に与えられた部屋は二階にある。
孫策は屋根の上で左近が窓を開けるのを待っていた。
「どうぞ、王子様」
左近が孫策の手を取り、部屋にいざなう。
左近の部屋での孫策の指定席は、整えられた寝台の上。いつも通り履物を脱いで孫策は寝台の上に上がる。そして横になって、猫のように丸くなる。気を許している証拠だ。
孫策がこうして左近の元を訪れるようになったのは、とあるきっかけもあり、つい最近のこと。いろいろな孫策の表情を見てきたが、彼がこのように無防備になるのは、彼の家族と断金の交わりと例えられる周瑜と、自惚れている訳ではないが、自分の前でだけだ。
孫策が自分を信用してくれているのだと思うと嬉しさが込み上げてくる。
「それで、相談というのは?」
元々の主である石田三成への書簡をしたためていた左近であったが、筆を止めて寝台に腰掛ける。
「うん、まぁ相談っていうかさ、政宗と兼続のことなんだけどよ」
先程まで兼続がこちらに来ていたのは左近も知っている。以前と同様に織田信長から孫堅宛の書簡を持ってきたのだろう。
孫策は政宗のことを弟のように可愛がっているし、政宗も孫策には懐いている節がある。
「あのお二方は周りがどうこう言っても何も変わりませんよ。寧ろ悪化する可能性もありますから、そっとしておいた方がいいかと」
「うーん、それはそうなんだけどさ」
やっぱ仲良くしてほしいじゃん、と孫策は続ける。
恐らく今日も会った瞬間に喧嘩でも始めたのだろう。懲りないとは思うが、それが二人の距離ならば周りがとやかく言うこともない。
きっと今の孫策は唇を前に突き出して、不満そうな顔をしているだろう。見なくても分かってしまうくらい左近は孫策のことを分かってしまっている。
「だって、お互いがお互いを思っているのに、二人して辛い顔してんだもん。誰かを思うってこんなにも幸せなのに。それに、あいつら友達なんだもん。友達が幸せになってほしいって思うの、当たり前だろ?」
孫策の言うことは理想だ。それができたら争いごとなど起きないだろう。
「周瑜は理想論だって言うし、左近もそう思っていると思う。軍師は、物事を客観的に見てないといけねぇからな」
孫策も分かってはいるのだ。人に感情がある限り、皆が仲良く幸せに暮らせるのは中々難しい。
同じように、左近の本当の主である三成と兼続が共有する理想、一人が万民のために、万民が一人のために尽くせば、天下の人々は幸福(吉)になれるという、所謂大一大万大吉を叶えるにはまだまだ道程は長い。
しかし、その理想に近付けるように助けるのが、左近の役目だと思っている。
かつては三成のために。そして今は、孫策のために。
「あなたの思いはきっとお二人にも届きますよ。俺に、届いたんですから」
左近は孫策の髪をまとめている赤い紐を解く。寝台に流れた茶色の髪を一房手にして口を寄せる。
たったこれだけの仕草で真っ赤になる孫策が愛おしい。
「あなたが友達思いなのは結構なことですが、俺たちの幸せも考えませんか?」
「ば、ばか!」
「はいはい」
額と額をくっつけて孫策の了解を取る。
恥ずかしそうに頷いた孫策を胸に抱き込んで、左近は幸せを噛み締めた。
左近に「俺たちの幸せも考えませんか?」と言わせたかっただけの話。
シリアスなのかそうじゃないのか中途半端な話になってしまいました。いつもラストがやっつけ仕事みたいな感じでもうしわけないですorz
2010/08/24
2010/09/23加筆修正up
「はい。どうかされました?」
「悪ィ、ちょっと相談があるんだけどよ」
やれやれ、とため息をつきながらも左近は部屋の窓を開けた。ゆくゆくは一国の主になるはずのこの青年は、じっとしていることがない。
孫呉の拠点で左近に与えられた部屋は二階にある。
孫策は屋根の上で左近が窓を開けるのを待っていた。
「どうぞ、王子様」
左近が孫策の手を取り、部屋にいざなう。
左近の部屋での孫策の指定席は、整えられた寝台の上。いつも通り履物を脱いで孫策は寝台の上に上がる。そして横になって、猫のように丸くなる。気を許している証拠だ。
孫策がこうして左近の元を訪れるようになったのは、とあるきっかけもあり、つい最近のこと。いろいろな孫策の表情を見てきたが、彼がこのように無防備になるのは、彼の家族と断金の交わりと例えられる周瑜と、自惚れている訳ではないが、自分の前でだけだ。
孫策が自分を信用してくれているのだと思うと嬉しさが込み上げてくる。
「それで、相談というのは?」
元々の主である石田三成への書簡をしたためていた左近であったが、筆を止めて寝台に腰掛ける。
「うん、まぁ相談っていうかさ、政宗と兼続のことなんだけどよ」
先程まで兼続がこちらに来ていたのは左近も知っている。以前と同様に織田信長から孫堅宛の書簡を持ってきたのだろう。
孫策は政宗のことを弟のように可愛がっているし、政宗も孫策には懐いている節がある。
「あのお二方は周りがどうこう言っても何も変わりませんよ。寧ろ悪化する可能性もありますから、そっとしておいた方がいいかと」
「うーん、それはそうなんだけどさ」
やっぱ仲良くしてほしいじゃん、と孫策は続ける。
恐らく今日も会った瞬間に喧嘩でも始めたのだろう。懲りないとは思うが、それが二人の距離ならば周りがとやかく言うこともない。
きっと今の孫策は唇を前に突き出して、不満そうな顔をしているだろう。見なくても分かってしまうくらい左近は孫策のことを分かってしまっている。
「だって、お互いがお互いを思っているのに、二人して辛い顔してんだもん。誰かを思うってこんなにも幸せなのに。それに、あいつら友達なんだもん。友達が幸せになってほしいって思うの、当たり前だろ?」
孫策の言うことは理想だ。それができたら争いごとなど起きないだろう。
「周瑜は理想論だって言うし、左近もそう思っていると思う。軍師は、物事を客観的に見てないといけねぇからな」
孫策も分かってはいるのだ。人に感情がある限り、皆が仲良く幸せに暮らせるのは中々難しい。
同じように、左近の本当の主である三成と兼続が共有する理想、一人が万民のために、万民が一人のために尽くせば、天下の人々は幸福(吉)になれるという、所謂大一大万大吉を叶えるにはまだまだ道程は長い。
しかし、その理想に近付けるように助けるのが、左近の役目だと思っている。
かつては三成のために。そして今は、孫策のために。
「あなたの思いはきっとお二人にも届きますよ。俺に、届いたんですから」
左近は孫策の髪をまとめている赤い紐を解く。寝台に流れた茶色の髪を一房手にして口を寄せる。
たったこれだけの仕草で真っ赤になる孫策が愛おしい。
「あなたが友達思いなのは結構なことですが、俺たちの幸せも考えませんか?」
「ば、ばか!」
「はいはい」
額と額をくっつけて孫策の了解を取る。
恥ずかしそうに頷いた孫策を胸に抱き込んで、左近は幸せを噛み締めた。
左近に「俺たちの幸せも考えませんか?」と言わせたかっただけの話。
シリアスなのかそうじゃないのか中途半端な話になってしまいました。いつもラストがやっつけ仕事みたいな感じでもうしわけないですorz
2010/08/24
2010/09/23加筆修正up
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