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徒然なるままに妄想を吐き出します。
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死ネタです。
苦手な方はご注意ください。



 *****
初めてだった。こんな自分を受け入れてくれた人物は。

穢れを知らない清廉潔白な灰色の瞳は眩しくて、自分に向けられることはないと思っていた。
文のやり取りをしていたとしても、あちらにとっては仕事の一環だと思っていた。
いつの頃からだろう、事務的事項の他に季節の話を一言だけ付け加えるようになったのは。
無機質な文が彩りを持ち、返ってくる文も情緒豊かなものに変わっていった。
文が届くのが待ち遠しくて、気が付いたら会いたいと思うようになっていて。
初めて会う機会が巡ってきたとき、俺がどんなに心躍らせていたかお前は知らないだろう。
初めて会ったお前は、気後れすることもなく俺に話しかけてきてくれたな。
それがどんなに嬉しかったことか。

「みつなり」と俺の名前を呼ぶ声を、俺は忘れたことなど一度もなかった。
己の志を貫き通した俺に未練はない。
あるとしたら、お前の声をもう聞けないということだ。
穏やかな声はいつだって俺を癒してくれる。
お前の声が聞きたい。

俺にはもう時間が残されていない。
京都六条河原の空は憎たらしいほど澄み切っている。
「みつなり!」
ああ、遂に幻聴が聞こえてきたか。
お前がここにいるわけはないのだ。
長谷堂から逃げ切れただろうか。

生きろ。
お前は生きて、お前の信じる義を貫け。
そして、笑え。
お前の笑顔で救われている奴はたくさんいるのだから。
そいつらのために、笑っていてほしい。

「時間だ。何かいい残すことはあるか?」
「特にない。さっさとやればいい」
髪を掴まれ顔を無理矢理上げられる。

……かねつぐ。
来世というものがあるのなら、また会おう。
それまで側にいられない俺を許してくれ。
俺の親友へ。
俺の、愛する義と愛の戦士へ。

2010/05/31
2010/06/26加筆修正up

死ネタはあまり好きではないのだが、三成にはこういう儚げな話が似合うと思う。

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